australia


第1章オーストラリアへ・後編
−The Diary 1988 in Australia−

5日目 July 10
 急に右足の足首あたりが痛みだした。歩くことが苦痛なほどだ。ちょうど以前に骨折した部分だ。数年前にオートバイで車と接触し、救急車で運ばれたことがある。その時に右足のくるぶしを骨折した。
 そんな古傷が痛みだしたのだろうか。ここ数日シドニーをずいぶんと歩き回ったことが原因なのかもしれない。痛みは夜になっても収まらなかった。
 これが治るまで自転車には乗れない。時間はある、出発を延ばすしかないだろう。
(C.B.Private Hotel,Sydney)

7日目 July 12
 まだ足の痛みはとれない。足をひきずって街を歩く。
 それでも、ここシドニーに来てからは、チャイナタウンのフードセンターには毎日のように足を運んでいた。なによりも米の飯が安く食えるからだ。
 ここに店をもつ韓国人の李さん親子とも顔見知りとなった。彼らは親子4人でオーストラリアに渡り、近いうちに永住権もとるという。今ではありがたいことにタダで食事をさせてもらっていた。
 彼らのあたたかい親切が身にしみる。
(C.B.Private Hotel,Sydney)

 思ったように歩けないということは、本当に不便でじれったいものでした。

8日目 July 13
 不思議なことに、それは突然という感じで起こった。
 歩いている最中に・・・ジョージストリートの横断歩道を渡っている途中で、あの3日間痛んだ足がスッと軽くなった。こういうのを奇跡とでもいうのだろうか?いや、そんなことはないだろう。
 とりあえず、これなら行けそうだ。
(C.B.Private Hotel,Sydney)

9日目 July 14
 足の具合も良さそうだったので、明日の出発を決めた。
 そのため、李さんが今晩泊まっていくようにとせっかく招待してくれたのを断ってしまった。自分の心の余裕の無さが情けなかった。予定などいくらでも変更できたはずだ。決めたのは自分なのだから。
 シドニーも今日で最後になる。9日間滞在したこの街を、これほど離れがたくなるものだとは思わなかった。
(C.B.Private Hotel,Sydney)

 ようやくこれで、自転車での出発ができそうです。


第1章オーストラリアへ・前編back< -home -up ->next第2章自転車での出発・前編