australia


第9章アリススプリングス・後編
−The Diary 1988 in Australia−

46日目 August 20
 出場者の駐車場には、世界中から集まったドライバーたちと、100台ほどの車とオートバイが停められていた。ワークスのパジェロも目の前で見ることができた。テレビで見た、パリダカールラリーを走った車と同じものだと思う。間近で見るとすごい迫力だ。偶然にも、オートバイを買ったシドニーのショップ、アクションスズキのグレッグにも会った。彼もオートバイで参加するのだという。もちろん香川氏もそこにいた。オートバイでの参加者には日本人も多い。時間が来ると、1台ずつ出発し、郊外の予選のコースへ向かってすっ飛んで行った。
 走っているところを直接見ることは出来なかったが、予選は無事終了し、香川氏もわるい結果ではなかったらしい。明日はいよいよウインズサファリラリーのスタートだ。
(5701km,Stuart Caravan Park,Alice Springs)

47日目 August 21
 ウインズサファリラリーのスタートの日だ。ショッピングモールの中央にはステージが造られていた。埋め尽くす観客。町全体が祭りのように賑わっていた。出場車は1台ずつスロープを登り、ステージ上で紹介のアナウンスを受ける。そしてスタートの合図で、観客たちの声援に送られ、反対側のスロープを下りて飛び出して行く。4輪車から始まり、続いて2輪車が出発する。最高速度の高い4輪車を先にスタートさせるのは、事故を防ぐためだという。全車が出発し終わるまでに数時間かかったが、香川氏の出発もしっかりと見送ることが出来た。
 ここアリススプリングスを出発した彼らは、北へ向かってダーウィンへ行き、その後東南へ向かってシドニーへとゴールする。シドニーに着くのは2週間ほど後になる。過酷なラリーだ。彼の無事を祈る。ゴールを見届けることが出来ないのが残念だ。
 自分も再び旅を続けることにしよう。次はエアーズロックだ。出発に備えてエンジンオイルの交換をする。距離計を見ると5700kmになっていた。
(5717km,Stuart Caravan Park,Alice Springs)


第9章アリススプリングス・前編back< -home -up ->next第10章エアーズロック・前編